クリスマス特別編.『その夜、冷えた夜空に上がるものは』 <12月24日 PM06:47 ゲイバー『木葉』店内> 傍から見れば、それは異様な光景であっただろう。アイドルかと見紛うような可愛いおとこが、それよりも長身で凛々しいおとこを慰めていたのだから。 しかし、よくよく見ていれば、それは余りおかしくない状況のようにも見えてくる。目元を赤くして、今にも泣きそうな顔をしている男からは、なんともいえない脆弱さが滲み出ていた。端的に言えば、守ってあげたくなるような。だが、大抵の者はその空気に気付くことなく目を逸らす。慰める男が、周りにピリピリと警戒のオーラを放っている所為だ。それにあてられたら、長々と見ていることなんて到底叶わなかった。 「まあまあ、恭臣さん。元気出してくださいよ。見られたのは仕方ないじゃないですか」 「で、でも・・・凄い、驚いてた・・・っ」 「そりゃ、おとこ同士のキスシーンですからね。驚かないほうが・・・」 「ああもうダイゴ! あんたのは慰めだかとどめなんだか分からないわよう!」 わっと泣き出しそうな雰囲気を察し、カウンターにいた店主が横槍を入れた。その言葉に十倉大湖が悪びれなく笑ったので、グイドはそれがわざとなのだと確信した。 「その顔だと、人ごみでキスしたのもわざとなのね。オミが嫌がるのを見越して」 「だって、嫌がるのをキスしたほうが楽しいじゃないですか」 くす、と笑う恋人に、高木恭臣は酷いと言及できない。世間では先に惚れたほうが負けなんてよく言うけれど、高木の場合そんなこと関係なしに十倉に対して骨抜きなのだ。それこそ、目に入れても痛くないのではないかというほどの溺愛ぶりで、結局はなんもかんも許してしまう。今回だって、向けられた笑顔にどうでもよくなってしまっていた。 それに、十倉だって何も高木に対して無茶に振舞うばかりではない。今日だって、会社帰りに今話題のクリスマスツリーを見物に行こうと誘ってくれた。 その気遣いへの喜びと、ツリーの想像以上の素晴らしさに年甲斐もなくはしゃいでしまった結果、むらむらきた十倉にキスされる羽目になったのだが。思い出して、唇を指で押さえる。そのまま物思いに耽りそうになった意識を、グイドの声が引き戻した。 「でも本当、ダイゴは我慢を覚えるべきよ。いつか会社中にバレることになるわよ」 「その辺りは僕だって注意してますよ。それに、今日見られた高校生も多分・・・」 「ちぃーっす。ラン姐、久し振りぃ」 十倉の言葉に被さるように、新たな客が手を上げて入ってきた。そのまま十倉の隣りに座り、ジンライムを注文する。 「聞いてよラン姐。ヒロキってばよう、可哀そうなんだよ」 「可哀そうなのはあんたの頭よ、ミノル。ほんと周り見てないんだから・・・」 言われてから、おとこは隣りの十倉とその奥の高木を見た。ごめんね、と形ばかりの謝罪をする。 「まああんたらも聞いてくれ。実は俺の可愛い可愛い恋人がな、」 「もしかして、木坂稔?」 聞けと言われたのに口を挟んでしまったことに高木は焦ったが、当の本人は別に気にする風でもなく口角を上げた。十倉越しに高木の手を取り、ブンブンと振る。 「お兄さん俺のファン? 実物の方が全然男前だろ?」 高木は曖昧に頷いた。色を抜いているのか、茶色の髪は軽くウェーブしており、目つきは野生のチーターのような美しさと凶暴さを孕んでいる。一般論で言えば美形なのだろうが、如何せん高木の好みではなかった。 そんな高木の心中には全く気付かず、木坂は妙な視線を送る十倉に目を向けた。 「どしたの?」 「・・・ファンって、貴方一体何してる人なんですか?」 「俺? 売れっこAV男優。何、妬いてんの? 可愛いねぇ・・・って俺のヒロキには全然及ばないけど」 言うなり、聞いてもいないのにその恋人だという少年についてとうとうと語り出した。外見の可愛らしさに始まり、その態度や仕草の微々たるところまで。お前の頭にはその情報しかないのかというほど語りまくり、20分を過ぎる頃にグイドが制止をかけた。3杯目になるジンライムを、カウンターに置いてやりながら。 「あんたのヒロキ自慢はもう聞き飽きたのよ。毎回毎回同じ事聞かされるほうの身にもなりなさいよね」 「えぇー。だってさ、いくら言っても語り尽くせねぇもん。言葉で表せる可愛さじゃないのさ」 ちち、と指を振るのに、グイドは溜め息を吐いた。この様子では、毎回こうなのだろう。十倉についていつだって語る準備はあるのに、語る勇気とチャンスのない高木には少し羨ましい性格にも思えた。 「それで・・・何が可哀そうなんですか?」 「・・・バイトなんだ」 ジンライムを片手に、木坂はこの世の終わりのような顔をした。くるりと高木のほうを向いて、絡むように喋る。 「今日に限って全員風邪ひいたんだと。んなわけあるかって話だよなぁ!」 「ああ・・・それは確実に仮病でしょうね」 「イヴだものねぇ」 「・・・はい」 その少年の家庭は複雑だったようで、今までにクリスマスらしいクリスマスを過ごしたことがないのだという。だから何日も前から楽しみにしていたのに、そこへ訪れた突然のシフト変更。泣いた。・・・木坂が。 「あいつは物分りがいいというか、諦めが早いというか・・・とにかく、文句一つ言わなかったよ」 カランと氷を鳴らし、カウンターにしなだれた。グイドが、黙って新しい酒を注ぐ。 「元気出しなさいよ。明日楽しませてあげればいいじゃない」 「そのつもりだって。でも、今日は結構遅くなるんだよなぁ・・・」 玩具を買ってもらえない子供のような顔であったが、ひとまず木坂は頷いた。その頭をグイドがわしわしと撫で、和やかムードになろうかというとき。カランと扉に付いている鐘が鳴った。そして入ってきた強面の男に、高木だけが少し怯えた表情を見せた。その男は木坂の隣りに座り、その頭を大きな手で押し下げた。 「なんだお前。人のこと呼び出しておいて、もうすっきりした顔してんのか」 紙袋をカウンターに置き、酒を注文する。随分と年もタイプも違うが、二人は友人なのだろうか。木坂がカウンターに肘をついたまま顔を向け、唇を尖らせる。 「遅いんだよ、虎の旦那。お二人さん、この人は舟木大河さん。こっちの人だから、怒らせちゃ駄目だよ」 ほっぺたに線を書くような仕草を見て、高木はやっぱりかと震え上がった。しかし十倉はよく分かっていないのか恐くないのか、表情を変えずに挨拶する。その態度に、舟木は歯を見せて楽しそうに笑った。 「アイドルみたいな顔して肝が据わってんな。ま、俺は堅気には手出さないって決めてるから、そっちの兄ちゃんも安心してくれや」 「・・・カタギの青年囲ってるくせに」 にしし、と笑う木坂の頭に、カウンターに置いた紙袋を落とした。重そうな音がして、木坂は声もなく頭を押さえる。相当痛かったのか、暫く身動きもしない。 「い・・・・・・・・・・・・ったいなぁ! 何すんだよ!」 「今日は店のイベントで忙しいってのに呼び出した罰だ。プラス、クリスマスプレゼント」 すると、中からゴロゴロと様々な形の、バイブを取り出した。 <12月24日 PM09:10 某コンビニエンスストア店内> 「こっちとこっち、どっちのお酒が好きですか?」 二つの缶チューハイを手に、三角渓夜は横にいる恋人に語りかけた。本宮栄一は、それを見てあからさまに嫌そうな顔をすると、首を振る。 「お前と酒はもう飲みたくない」 そう言って酒コーナーから離れようとするのを、三角が服を引いて止める。なんでですか、と明らかに笑いを含んだ声で言いながら。 「また何か仕込まれでもしたら堪らないからに決まってるだろ。あれを機に、俺は酒断ちをした」 今は恋人同士の二人だが、そのなれ初めは実に異常だ。三角が一服盛り、朦朧としている栄一を犯した上で、その画像をネタに脅したのだ。恋人になってからは、特に恨みもないのでその過去を厭味や当てこすり程度にしか持ち出さないが、翌日の頭痛だけはもう二度と体験したくない。そんなわけで、もう酒を飲む気にはなれなかった。 「そんなこと言わないで。あ、ワインはどうです? せっかくチョコケーキにしたんですし」 「・・・チョコケーキ」 それは魅力的だった。迷っている間にワインと数本のチューハイを籠に入れ、三角は会計に進んでしまった。 「お、おい」 「いらっしゃいませ」 サンタクロースの帽子を被った少年に微笑まれて、栄一は観念した。飲まなければいいだけの話だ。むっつりとしたまま。三角の横に並んで立つ。 「今日は遅くまで?」 「あ、はい」 突然会話を始めたので、栄一は驚いた。三角の顔を見て、次に少年を見る。 「大変だね、イヴなのに。お父さん心配するでしょ」 「はい。でも今日は、迎えに来てくれるみたいです」 はにかむ少年に、三角は袋からガムを取り出して渡した。頑張って、と付け加え、栄一の手を取って外に出る。びっくりして手を引こうとしたが、凄い力で以て話してくれなかった。 「っと、おい渓夜・・・」 「大丈夫ですよ、あの子しか見てませんし。あの子は知ってますから」 「知ってるって? てか、いつの間に仲良くなったんだよ」 「ジェラシーですか? はは、冗談ですって、こっち向いてください。定時制の高校に通っているみたいで、夜にいるのは珍しいんですよ」 そういえば、栄一もよく利用するが、大体が夜だから会ったことはない。三角はここでよく買い物をするのか、その中で仲良くなったのだろう。三角は、どちらかというと人に絡みたがる。 「だからって、教えなくても・・・」 「あの子のお父さん、まだ30いってないそうですよ」 「え?」 そんなバカな。結構遠くにいることは分かっていたが、思わず振り向いてしまう。そんな栄一をちらりと見て、三角が笑った。 「つまり、そういうことです」 暫く考えてから、栄一は理解して顔を赤くした。話には聞いていたが、本当にやる人がいるなんて。ぐるぐるに巻いたマフラーに鼻を埋めて俯く栄一の手を握り返し、三角はスキップしそうなほど浮かれていた。 「俺たちも、いつかしましょうね」 白い息を吐いて嬉しそうに言うのを、栄一は真っ赤になって聞いた。目を泳がせ、唇を尖らせる。 「バカ言ってんじゃ、ねぇよ・・・」 口ではそう毒づいていたが、栄一の手が三角の手を若干強めに握り返してきたので、三角は機嫌をよくして本当にスキップした。 足元の雪が、少しだけ舞い上がる。 ○栄一と酒盛りする→ ○もう一度『木葉』に戻る↓ <12月24日 PM09:23 『木葉』店内> もうすっかり氷の溶けたグラスをじっと見つめながら、高木は場の空気の異常さに、早いとこ帰りたいと祈っていた。 最後に現れた男の持参した紙袋から、大小どころか形も色も様々のバイブが転がり出しておよそ二時間余り。それをネタにした猥談を肴に、十倉木坂舟木の三名は、まるで従来の友の如く意気投合してしまっていた。木坂か舟木が自分の恋人としたプレイを話題に出し、十倉がそれを興味深々に根掘り葉掘り聞き出す。それは聞いているだけで体の熱くなりそうなものから、耳を塞ぎたくなるような痛そうなものまで、本当に色々あった。 いずれ試すつもりなのか、十倉が事あるごとに横目で視線を送ってくるのも、少し嫌だ。話の流れ上、高木がネコをしていることも知られてしまった。何故か、十倉のアレが立派なことまで。 後者はともかく、前者も別に取り立てて隠しておきたいものというわけでもないので怒りはしなかったが、だからと言って知られて楽しいものでもない。 もう帰ろうという意味でこっそり裾を引いてみたりもしたが、気付いてもくれなかった。それを悟ったのか、グイドが盛り上がる三人を一喝した。 「ちょっとあんたたち! いい加減になさい!」 「グイド・・・」 ああ、これで帰れる。そう思ったが、どうやらそれは高木の早とちりだったようだ。次に発せられた言葉に、別に自分の心境を悟ってくれたわけでもないのだと知る。 「さっきから聞いていれば、アレを入れただのこんなポーズでやっただの・・・まだまだ甘いのよ! どうせヤるなら徹底的に攻めなさい!」 言うなり、グイドは訥々と三人のプレイに駄目だしを始めた。三人の目が驚きから尊敬の色に染まるのは割りとすぐのことで、店内でここだけ異様な空気を放つようになってしまった。そういえば、グイドの出身国は変態の巣窟だと聞いたことがあるようなないような。そんなことをぼんやりと思い出しながら、高木は頬杖を付いて十倉の横顔を眺めた。 「それで、エネマグラってなんですか?」 「んん? お前らには必要ないだろ」 「それよりこのバイブ、動き凄くね?」 「あらん、ほんとに凄い」 「うわっ、なんですかこれ。こんなの挿れて大丈夫なんですか?」 「平気だろ、お前の巨根に耐えうるんだから」 「そうだな、問題ねぇよ。・・・って見たことないけどな!」 「ダイゴは巨根な上絶倫なのよーう」 ははははは、と笑う四人の横で、高木は苦笑いした。十倉が楽しめているのなら、我慢しよう。せっかくのイヴなのにという気持ちがないわけでもないが、どうせ夜は一緒に帰るのだから。 楽しそうに笑う横顔を眺めて、キスしたいなぁと思う。思って、さっきのツリー見物のことを思い出した。好きな子のはしゃぐ姿というのは、なんて愛らしいのだろうか。今すぐにでも、キスして抱きしめたい。自らそんなことを思い、高木は胸を締め付けられた。十倉も、そう思ったからキスしたいなんて言ってきたのだろうか。 だったら嬉しいな、なんて幸せな妄想に浸り、高木はこっそり鼻をすすった。 ○そろそろ店に帰る→ ○ヒロキを迎えに行く→ ○タクシーを捕まえる→ ○一旦都会から離れてみる↓ <12月24日 PM11:39 T県奥地、アスモデウス城内> 「リューリュー、もう一個! もう一個切って!」 「あ、狡い。俺にもくれよぅ」 「ディア様、これ以上は虫歯になりますよ」 「うっさいヴィー! 好物くらい好きに食べさせろ!」 「うるさいのはお前らだっての。なくなりゃまた作ってやるから、喧嘩しないで喰え」 子供をあやすように言い、瀬能琉太はそれぞれの皿に、クリスマス用に少し大きめのサイズで作ったケーキを切り分けた。もう一人にも同じようにしようとしたところ、丁寧に断られた。 「すいません、我々までいただいてしまって。よろしかったので?」 「うん? 全然よろしいよ?」 慇懃無礼な美丈夫は、ディアと呼ばれた青年の侍従だ。ディアと一緒になって騒いでいるラズも含め、この三人は揃って甘党のようだった。今は断ったが、最初の一切れには無表情ながらも目を輝かせて食していた。 「我々にとっては力の源でもありますからね。それに貴方のは、質のほうもかなりよい」 「ふうん? 変わるもんなのかね」 リューの疑問に、ヴィエスタははっきりと頷いた。ちらりと騒がしい二人を見て、穏やかに微笑む。 「ディア様も満足そうです。本当、ありがとうございました」 「いやいや、いいって。趣味だし。・・・てかさ、この状況はおかしいよな」 小さいが奇麗に飾られたツリーを見て、リューが笑う。 「クリスマスってキリストさんの誕生祭だろ? あんたらってその対極にいんじゃないの?」 ここにいるメンバーは、リューを除いて全員人間ではない。厳密に言えばリューも完全な人間とは表せないのだが、三人はそもそもからして違う。魔界に住む者たち、いわゆる悪魔である。 ただの人間であったリューが、体を変化させてまでこんなところにいるのにはそれなりに色々あったのだが、ひとまず今は割愛しておく。リュー本人も、とりあえず趣味のケーキが作れればいいか、なんて考えだった。 ともかく悪魔がクリスマスなんて。背徳というか、不謹慎というのか。苦笑いしていると、唇の横にクリームを付けたラズが寄ってきた。 「いいんだよ、別に。俺らは由緒ある悪魔ってわけじゃないし」 「でも、ディアって悪魔界の王子だったんじゃ・・・」 「俺? 俺は祝ってるわけじゃねぇもん。お前のケーキ喰いに来ただけー」 なー、と首を傾げ合う二人は、さっきまでケーキを食べる食べないで揉めていたことなど既に忘れているようだ。幼馴染だということもあり、元々の仲はよかった。 しかしなんとなく納得できないでいると、ヴィエスタが口を開く。 「大丈夫ですよ、何も起きたりはしませんから」 「まあ、俺も含め、日本人の大半がクリスチャンじゃないしなあ」 腑に落ちない気分で言うと、ヴィエスタはそんなところですと頷いた。 「それでは、そろそろ戻ります。ディア様」 「んだよ、もう帰んのか?」 「えぇ、奥様もお待ちですから」 その言葉に、ディアは一瞬つまらなそうな顔をした。しかしすぐ元に戻り、ヴィエスタの傍に立つ。 「ほんじゃま、帰るとするわ。また遊びに来るから」 そうして指を鳴らすと、黒いもやを残してその場から消えた。いつ見ても、不思議な現象である。 「・・・じゃあ日付も変わるし、俺らも寝ると・・・っうわ!」 振り向くと、いつの間にか正面にいたラズに両手を取られ、そのまま下に引くようにしてキスされた。驚きはするが、突然なのはいつものことだ。腕を放してもらい、あやすように背中を叩く。何度か角度を変えて唇を合わせてから、頬に付いたクリームを舌で舐めてから離れた。髪の付け根から梳いてやりながら、その紫の瞳を覗き込む。 「お前さ、いきなり発情する癖治せよ」 からかう声にその言葉が本気でないと分かったが、ラズは唇を尖らせた。 「いきなりじゃないもん。俺はずっと、リューとキスしたかった」 「もんってお前・・・」 リューは片眉を上げて笑い、すねる唇をついばんだ。髪を指で遊びながら、顔中にキスを降らす。 「少し待ってな。片付けたら、すぐ入れさせてやっから」 「・・・やだ。今すぐ」 言うなり、ラズはリューを持ち上げた。ベッドまで運び、早業のように脱がせていく。 「お前なぁ・・・」 呆れてはいたが、リューは余裕のなさそうなラズの顎を捉えて顔を上げさせた。掬うように唇を奪い、ゆっくりと舌を絡めていく。上体を少しずつ後ろに倒し、ラズに組み敷かれる形で何度もキスをした。つ、と唇が糸を引いて離れる。 「メリークリスマス、って言っていいのか?」 「いいよ。メリークリスマス、リュー」 言い合ってから、二人は暫くおかしそうに笑った。罰当たりだな、なんて思いながら。 外では、またも静かに雪が降り始めていた。 Merry Xmas!! 終・・・? 12.24 16:00up |